板金屋根異常例1
築30年程度の板金屋根塗装においての塗膜剥離について
13年前に塗り替えをさせて頂いたアパート板金屋根塗装の経過概要になります。
13年前に施工した塗装後の点検と経過を追ってきました以下写真の通り下地から剥がれてしまう現象に悩まされて
現在に至る状況をお知らせいたします。13年前に弊社で2社目になる2度目の塗り替えをさせて頂きました。
一般的なトタン屋根(板金屋根)施工においては通常の下地ケレン作業から錆止め、
仕上げ2回塗りの3工程のメーカー仕様で納めることになりますが、
1年を過ぎて点検を行ったときに下地からの塗膜剥離が起きている状況を確認しましたので、
お客様には写真を添えて状況説明を行い補修塗装を行いました。
この時点では剥離範囲も小さいとは言え剥離が点在していたので嫌な予感がありながらも2年目の点検になり、
現状確認時には更に塗膜剥離が広範囲に点在しているのを再確認したため、
嫌な予感通り通常とは違う現象を塗料メーカーにも確認して頂いたところ、
既存下地塗膜の経年劣化による異常と診断されました。再塗装する上で、
塗料メーカーの結論としては「全体の既存塗膜完全剥離」を施した後の塗装といった
「非現実的なメーカーとしては当然の回答」が出てきました。
完全剥離という作業を行うにはケレン作業で完結するほど簡単ではなく、
剥離剤など薬品を用いての作業だったり機械工具併用による研磨作業になるため、
板金の厚みの関係で穴が開くことも考慮すると、現実としては不可能と判断することになりました。
これはメーカーとしてだけでなく、下地不具合の影響を受けている場合は
下地から直すことが一般的になりますので理屈としては理解できます。
しかし現実問題として全剥離を行う労力と費用を考えると葺き替えをするのと
大差がなくなるくらいの内容になると考えられることから、
一旦、住宅では一般的な「3種ケレンB種」の下地処理のうえ、
全体の再塗装で様子を見ることになりました。
そしてまた1年が経過し点検を行ったところ、
写真にもある旧塗膜部分の下地から塗膜剥離が発生しているのを確認しました。
そこで今回は補修塗装を行う判断において、
剥離している部分を除去し高価な特殊塗料「カーボマスチック15J」という
アルミニウム顔料が含有されている錆止めを用いて再度補修仕上を行い、
そして2年後の再点検で状況は更に悪化しているのを確認しました。
やはり旧塗膜がある部分から剥離が起きていて、
手のつけようがない状態になっていました。
お客様は、今後の建物維持においての修繕計画を見直すということで一旦保留状態になっています。
13年前の完成写真です。
1年目で塗膜剥離の異常発
点検で異常を発見。下地から剥がれる異常。
剥離部補修塗装
浮いてきている部分を撤去し、2液性エポキシ錆止めを塗布し仕上げ塗料で仕上げます。
塗装4年経過後の状態も変わらず広範囲に剥離が進行
この様な剥がれ方は下地との密着が損なわれいる様子が伺い知れます。
塗装後5年経に下地ケレンはサンダーを併用でしっかりと行って全体再塗装
再塗装を行って異常が収ることを願っていましたが・・・
再塗装から3年後に再剥離/旧塗膜が残っていた部分から剥離が起きている
その願いも虚しく再剥離を起こしていました。見るからに旧塗膜が縮んでいるようにも見えます。
剥離部を大幅に再ケレン
際限がなさそうな状況でしたが剥がせる所は可能な限りの下地ケレン。
錆止めを変えてカーボマスチック15で塗装
さび止めをアルミ顔料が含有されている錆止めの効果に期待が持てる塗料で塗装してみました。
今回は補修塗装
経年劣化による色褪せがあることで同じ塗料と同じ色で塗装してもこれだけの差が出てしまいます。
そして完成後13年が経過した状態は悪化するばかり
現状確認をして頂きましたが改修方法をお伝えした結果一旦保留となっています。