板金屋根異常例-1

築40年程度の板金屋根塗装についての塗膜剥離について
下は完成写真です。

2012に塗り替えをさせて頂いたアパート板金屋根塗装の経過概要になります。
13年前に施工した塗装後の点検と経過を追ってきました以下写真の通り下地から剥がれてしまう現象に悩まされて現在に至る状況をお知らせいたします。13年前に弊社で2社目になる2度目の塗り替えをさせて頂きました。
一般的なトタン屋根(板金屋根)施工においては通常の下地ケレン作業から錆止め、仕上げ2回塗りの3工程のメーカー仕様で納めることになりますが、1年を過ぎて点検を行ったときに下地からの塗膜剥離が起きている状況を確認しましたので、お客様には写真を添えて状況説明を行い補修塗装を行いました。


この時点では剥離範囲も小さいとは言え剥離が点在していたので嫌な予感がありながらも2年目の点検になり、現状確認時には更に塗膜剥離が広範囲に点在しているのを再確認したため、嫌な予感通り通常とは違う現象を塗料メーカーにも確認して頂いたところ、既存下地塗膜の経年劣化による異常と診断されました。再塗装する上で、塗料メーカーの結論としては「全体の既存塗膜完全剥離」を施した後の塗装といった「非現実的なメーカーとしては当然の回答」が出てきました。完全剥離という作業を行うにはケレン作業で完結するほど簡単ではなく、剥離剤など薬品を用いての作業だったり機械工具併用による研磨作業になるため、板金の厚みの関係で穴が開くことも考慮すると、現実としては不可能と判断することになりました。


これはメーカーとしてだけでなく、下地不具合の影響を受けている場合は下地から直すことが一般的になりますので理屈としては理解できます。しかし現実問題として全剥離を行う労力と費用を考えると葺き替えをするのと大差がなくなるくらいの内容になると考えられることから、一旦、住宅では一般的な「3種ケレンB種」の下地処理のうえ、全体の再塗装で様子を見ることになりました。


定期的な調査で再発が確認されました。


広範囲だったため下地の異常部を取り除き全体塗装を試みました。




そしてまた1年が経過し点検を行ったところ、写真にもある旧塗膜部分の下地から塗膜剥離が発生しているのを確認しました。そこで今回は補修塗装を行う判断において、剥離している部分を除去し高価な特殊塗料「カーボマスチック15J」というアルミニウム顔料が含有されている錆止めを用いて再度補修仕上を行い、そして2年後の再点検で状況は更に悪化しているのを確認しました。やはり旧塗膜がある部分から剥離が起きていて、手のつけようがない状態になっていました。




塗装13年後の様子です。


お客様は、今後の建物維持においての修繕計画を見直すということで一旦保留状態になっています。


