屋根の遮熱塗装で部屋温度の効果は?
実体験をもとに屋根遮熱塗装と部屋の温度変化についてお伝えさせて頂きます。
写真のように9月のスレート瓦屋根表面温度が計測器で70℃を越えています。
初夏から真夏の最盛期には80℃を越える日もあるでしょう。
真夏の屋根塗装では一般的な作業靴で屋根塗装をすると個人差はあるものの、
足裏の皮がむけるといった事も実際にありました。
それくらい真夏の屋根は過酷な環境にあります。
そこで、屋根に遮熱塗料で塗装をすると
どうなるか・・・
お見せできるデータはありませんが
屋根表面温度は確実に10℃~20度前後下がります。
遮熱塗料が発売された当時、実際に屋根遮熱塗装をされたお客様に室内温度変化を
確認したところ・・「体感的には分からない・・」という以外な回答を頂きました。
当時は自分も遮熱塗装をすれば部屋の温度も下がるだろうと思っていました。
しかし屋根表面温度が70℃から20℃下がったとしても部屋の温度は50℃が30℃にはならなく、一度熱せられた屋根裏や閉め切った部屋の温度は空気の流れがないことなどから温度は上がる一方です。
仮に部屋の温度が50℃あり、5℃下がったとしても45℃の室温になるので、涼しいと
いった体感とはいかないでしょう。
そのため屋根表面温度と部屋空間温度については切り離して考える必要があります。
屋根の遮熱塗装効果としては室温がおおよそ3~5℃程度しか下がらないため
実際の遮熱効果をしっかりと理解しておく必要があります。
例として木製の四角い箱に遮熱塗装をし、真夏の炎天下に置いた場合、箱の内部温度の遮熱効果は大きく作用します。これは箱全体を遮熱塗料で覆うことで遮熱効果が最大に発揮されるということです。
これを住宅に置き換えると、建物には窓ガラスが多くあり、全てを遮熱塗装で覆うことは現実として不可能なことです。
このように住宅は紫外線の影響を受け易い要素が多く存在しているため、室内温度が上がってしまうことは否めません。
一方で鉄筋コンクリート造などのマンションは厚いコンクリート壁に覆われているため大きな断熱効果が得られているため、窓から入り込む紫外線対策をすることで室内環境は大きく改善されます。
上記から部分的な屋根の遮熱塗装だけでは十分な室内環境改善に相当する効果は得られないということが言えるのではないでしょうか。一般住宅において室内環境改善をするには、外壁の断熱や遮熱、空調設備、窓ガラスの紫外線防止といった建物全体で対策を行うことで効果が得られるということになります。