外壁の異常

以下写真は軽量鉄骨アパートの外装材
以下のように多く見られる膨れ異常は日当たりの良い部分に多く発生しています。太陽熱の影響を受けた外壁材が蓄熱し外壁内部に微量な水分や湿気が入り込むことで水分と反応して膨れてしまうのではないかと推測されますが、外装材の経年劣化や塗り替え時の塗料選択ミス、また昭和、平成、令和と時代の流れと同時に、建材も塗料も発展と進化が進み当時の建材や塗料に近年の塗料などが追従できないという複合的な理由も影響しているかもしれません。
考えられる要因
①異常が発生している多くの外壁材は工場生産で吹付模様が施されている外装材の異常が一番多い印象がある。(ハウスメーカーの外装材に多い印象)また生産において基材の性能を向上させるため、強度面、断熱性、その他性能を付加するため鉄板が施されていて場合があります。そのため改修塗装過程により水分が塗膜の中に閉じ込められることで太陽熱が作用し、外壁内の鉄部が熱せられ残留水分が蒸発過程によって塗装の弱い部分へと反応してしまう。
②このような膨れは太陽熱の影響を強く受ける東南西面で気温が上がる場合に多く発生する。
③防水性の高い塗料を使用している場合で水分が壁内部に侵入した場合、外壁材が太陽熱などで熱されたことで水が蒸発しようとし逃げ場がなくなるため脆弱部分が膨れてしまう。
④外壁材の経年劣化により塗材の密着力低下が起こり、太陽熱によって塗膜が追従できなくなり膨張が発生する。
⑤このような工場生産されている外壁材に微弾性材を塗装すると防水性が高まることで、内部水分の逃げ場がなくなるため太陽熱により膨張することも考えられる。
「外装材の耐用劣化と塗り替え塗料の選定ミスも否めない」また基材の構造などを知ることで膨張対策が有効になる。
近年においては暑さの影響なのか熱膨張による異常が多い








この外壁材はALCといい多孔質でとても軽量で軽石のような素材
外装材全般は水分に弱い性質があり、特にALC外壁材のような軽量多孔質の外装材は水分の影響を顕著に受けやすく、常に水分の浸漬がある環境においては素材が柔らかくなり簡単にか欠けやすくなるため大きな修繕が必要になる場合があります。

膨れの考えられる要因
壁内部に水が入り込んだ上に防水性が高い単層弾性材塗材で塗装してあることにより内部水分の逃げ場がなくなり膨らんでいる状態。弾性塗料ということで伸縮性がある反面、写真のように水分を溜めてしまう性質があります。弾性塗料で塗装されていない場合は膨張に塗膜が追従できなくなるため表面が割れて水分が放出されますので、ここまで膨張することは少ないと考えられます。防水性能を高めることは決して悪いことではないですが、塗料も一長一短あり水の侵入口が完全に断たれている場合は有効な塗料になりますが、漏水などが発生した場合などは水が溜る状態になりますので、塗装仕様を組む場合には「漏水が起きたら」など異常を考慮し塗装仕様を組むことも重要になります。
水の侵入口遮断不足と塗料の選定ミスにより起因している状態。
このように塗料の選定は外装材や置かれている環境、状態などを複合的に考慮し、ある程度の予想のもと塗装仕様を組まないと問題が発生する場合があります。
例えばブロック壁のような多孔質素材に、防水性能が高い塗料で塗装すると膨れや塗膜剥離などの異常が発生しやすくなります。これはブロックの多孔質構造から地面に接している部分より地中水分を引き揚げて、塗装をしてあることで水分の逃げ場がなくなり膨れなどが発生します。このように考えられる異常を回避するために対象となる素材を見極めて使用塗料を決めることがとても重要になります。
下地に合わせた塗装仕様と塗料選定を誤ると異常が発生する確率が高くなります。
モルタル下地に吹付塗装仕上げの外壁
よく見ると吹付模様が膨らんでいます。こちらの建物は太陽熱に関係なく東西南北面の全体的にこの様な膨れが発生しています。特に太陽熱を浴びる部分は顕著に多く発生しています。


考えられる要因
この状態は自分が20年以上前から確認している状態で、既存はモルタル下地の上に吹付模様仕上げになっています。太陽熱を直接受けない北面にも膨れが発生していることを考えると、当時の外装材が経年劣化を起こして表面の塗膜に異常が及んでいるのではないかと考えられます。当時は現在のような高性能、高機能に富んでいる塗料ではないため下地に追従できなくなっていることや、太陽熱による熱膨張も考えられます。


