塗膜剥離が起こる原因

塗膜が剥がれる原因は・・施工者の認識不足?意識的な手抜き?


今回塗装でお世話になる建物の雨戸と戸袋の状態です。
なぜこのように剥がれてしまうのか・・? 以下のようなことが考えられます。
①当時の既存状態が良好だったため下塗りを省いても問題ないだろうという認識
②下地が良好だったため意識的に下塗りを省いた
③金銭を優先にし意識的に下塗りを省いた
塗装の基本として仕上げ塗料は下塗りの上に塗ることで塗料の持つ性能が効力を発揮します。対象となるものが「きれいだから」「傷んでいないから」という場合でも、既存下地に合った下塗りは必須工程で仕上げ塗料と一体となることが基本になり、仕上げ塗料だけで塗装を行った場合大概が経年において異常が発生する確率が高くなります。特に金属面、木部の場合は顕著に現れます。
下塗りには下地に応じた材料が数多く存在しますので対象下地に合った塗装仕様を組むことが必要です。
上記②、③は基本的に行ってはいけない行為になります。
塗料メーカーが定める塗装仕様に則って行えば異常が発生することは少なくなりますが、下地の脆弱や著しい劣化の場合などはメーカー仕様でも問題が発生する場合がありますので、過去の経験による仕様を組む場合もあります。


このような状態の上に塗装する場合は本来、表層を除去しきれいな状態にして再塗装することが望ましいですが、そこにかける費用などを考慮すると現実的ではなく、大概は既存脆弱部分を可能な限り除去した上の再塗装になることが殆どです。
弱溶剤ウレタン塗料の発展と我流工法が定着した背景
昭和から平成へかけて塗料の進化は、私たちの想像を超えるスピードで進みました。特に弱溶剤ウレタン塗料の開発は、塗装業界にとって大きな転換期になりで建築塗装業界でウレタン塗料は時代の象徴でもありました。当時の現場では誰もがその性能にウレタン塗料を塗れば問題ないという風潮があったような記憶があります。
昭和の時代は合成樹脂塗料や強溶剤、塩化ビニル塗料、単層弾性水性塗料といった塗料が主流の時代でした。平成に入り塗料は劇的な進化を遂げ、弱溶剤ウレタン塗料が開発されウレタン塗料は暫くの間、一世を風靡したと言っても過言ではない塗料にまで発展しました。そんなウレタン塗料が主流になった現場では「優秀な塗料の出現」の空気感があり、使い慣れ始めてきたときには「密着の良さ」が噂になり誤認により根拠のない我流で曖昧な塗装仕様を作り上げ、勝手に下塗りを省くといったことがあちこちに定着したのではないかと考えられます。当時はインターネットなどない時代でしたので情報源は塗料販売店や同業者、仲間からがすべてでした。そのため曖昧な部分は作業しやすい方への我流へと進んだとも考えられます。写真の施工はそんな時代の象徴かもしれません。
二液性のウレタン塗料は硬化剤と主剤を規定重量比で混合し、しっかりと撹拌しないとウレタン塗料にならない塗料も存在します。ウレタン防水材の場合は主剤と硬化剤を規定重量比で混合撹拌しないと硬化せず、いつまでもベタベタが続くことが言わずと知れていた情報だったので、そのため硬化剤は固化させる役割と誤認をしている職人が多かったようにも思います。塗料は硬化剤を入れなくても固まるため、人によっては硬化材を入れないで塗装する人もいました。現場での塗料調合に「何で硬化剤は入れないの?」と聞くと硬化剤を入れなくても乾くから!とまさに我流の回答があったのは記憶に鮮明に残っています。また若いころはあちこちの会社へ手伝いに行くことがあり、2液性ウレタン塗料の調合などは目分量で硬化剤を混入している人が多かったことも実体験としてあります。これも塗料を硬化させるだけのものという誤認だったのでしょうか。当時の自分を取り巻く環境では、計量器を持っている人が少なかったようにも思います。
塗料メーカーによりますが、二液性弱溶剤ウレタン塗料の主成分はアクリル塗料で、硬化剤を適正な重量比で混合することで化学反応しウレタン塗料に変性させる塗料があります。硬化剤を適正量混合しないとメーカーが示すウレタン塗料にはならないため能性が劣ってしまいます。また硬化剤を混入しない場合はアクリル塗料のままということにになります。
依頼する業者によっては結果が大きく変わるため業者選びは慎重にされることがとても重要になります。
このようなことを避けるためにはまず
「知ることです!」
「知ると選ぶことができます!」


